目や脳がだまされるのはなぜ?

右のイラストを見てください。どちらの赤い円が大きく見えますか?実は、左右同じ大きさなのです。このような現象を「錯視」といいます。私たちは目の前にある世界をありのままに認識することができず、目や脳が作り出したフィクション(虚構世界)を見ているということが、心理学の研究で明らかになりつつあります。ちなみにこのイラスト、動物によって見え方が異なります。ハトやニワトリに聞くと、「左側が大きい」と答えるのです。ヒトとは逆の見え方ですね。また、ヒトとは違い、だまされない動物もいます。

「ものを見る仕組み」以外にも、「他人に好かれる幸せな生き方とは?」「英単語を覚えるより好きなアイドルの名前や歌の歌詞が覚えやすいのはなぜ?」「冤罪が生じる理由」など、心に関する身近な疑問に答えてくれるのが認知心理学です。認知心理学を学ぶことで、豊かな人生を歩んでみませんか?

中村 哲之 教授

専門分野:比較認知心理学(ヒトを含めた動物が持っている心のはたらきについての研究)
著書:『動物の錯視:トリの眼から考える認知の進化』ほか

科学技術の進歩に伴って、世の中はどんどん変わっていくと思いますが、人の心が変わったり無くなったりすることはありません。心理学を学ぶことは、一生の財産となるはずです。