犯罪のない社会を目指すには

犯罪者と被害者は、コインの裏表ともいえます。犯罪のない社会、すなわち、罪を償った人が二度と犯罪を犯すことがなく、犯罪の被害にあった人が二度と被害にあうことがない社会を目指す上では、両方のアプローチが必要です。しかしながら、犯罪被害者は、2008年まで、事件の当事者であるにもかかわらず、裁判に参加することができませんでした。裁判が終わっても事件の記憶が消えず、周囲の目や心ない態度に苦しんでいる人は少なくありません。我が国の被害者支援制度は未だ十分とは言えないのが現状です。「被害者学」では、犯罪被害の実態や被害者を取り巻く法律や支援について、「犯罪学」では、「人はなぜ犯罪を犯すのか」という素朴な疑問から出発し、犯罪を生み出す社会や人間に関する理論、刑務所や少年院の役割について学びます。

実際に被害にあった方のお話を聞いたり、模擬裁判を行ったりしながら、我が国の犯罪者や被害者をめぐる制度や手続きを知り、犯罪者、被害者の両面から学ぶことを通して、犯罪のない社会を実現するにはどうすればいいか、一緒に考えてみましょう。