異なる文化の人々とのコミュニケーションのため
「言語」の意味を考え、視野を広げた4年間
- 英語コミュニケーション学科
- 2022年卒
※取材当時は4年 - 市川 樹伸さんKISHIN ICHIKAWA
- 筑波大学附属桐が丘特別支援 出身
言葉のニュアンスの違いに
興味を深める
もともと英語が好きで、高校時代には国際交流委員を務めていました。当時は留学生が自国の文化を説明しても、「そういう文化があるんだ」としか思っていませんでしたが、大学入学後は、日本と異なる文化や慣習を持つ人とどうコミュニケーションするか考えるようになりました。印象に残っている授業は大西先生のProgressive English。先生は会話を重視するのと同時に、言葉の裏に隠されている意味を分かりやすく説明してくれました。例えばtakeとbring、どちらも同じような意味ですが、takeは取ってくる、bringは持ってくるというニュアンスの違いがあり、結果として使い方も変わってきます。授業を通して言葉の面白さに目覚めました。
相手の文化や慣習への理解を実感
3年次からは社会言語学が専門の飯尾先生のゼミに入り、さらに言語を精査し、深掘りすることを学びました。例えばジェスチャーやハンドサインもコミュニケーションの一種ですが、日本で使われるサインが国によっては差別にあたることを知り、自国と他国の文化を比較することが、相手の文化を尊重する気持ちへとつながりました。また、無意識に使っている差別的な表現への関心が深まり、卒業論文では「女性表示語の変遷」をテーマにしました。ジェンダーへの関心が深まる一方で、女子アナとか女医といった女性を示す言葉が使われていることをどう考えればいいのか。幅広い年代の男女300人にアンケートで実態調査を行いました。私は「女性表示語は差別語に当たる」という回答が大勢を占めると予想していましたが、結果はその逆。批判的に取り上げるメディアと一般の人との間には認識のズレがあることがわかり、大きな発見となりました。
日本の文化を伝えるために、
日本語教師を目指す
4年間の学びの過程でコミュニケーションに対する視野が大きく広がり、日本語教師として、日本文化を外国人に伝えたいと思うようになりました。3年の夏には日本語学校で教育実習を体験。外国人に漢字を教えるときに、漢字を分解してカタカナの形を利用して教えると相手が理解しやすいことを知り、自分で工夫しながら教える楽しさも味わいました。アメリカ、中国、韓国出身など多様な生徒と交流できたのも有意義な経験のひとつです。いまはコロナで外国人が入国できない状況のため、オンラインで現地の人に日本語を教え、スキルを磨こうと考えています。